組織を活性化していくためには、人事異動が必要不可欠

組織を活性化していくためには、適切なタイミングでの人事異動が必要不可欠であるとおもわれる。新しく組織に入った人の組織への適応過程は①「社会化」の段階(3〜6ヶ月)②「刷新」の段階(6ヶ月〜3年)③  「順応」の段階(3年以上)の3段階がある。それぞれの段階について以下述べる。
「社会化」の段階は職場での人間関係の確立、組織から求められる役割や責任、部下からの期待される役割を理解することである。「刷新」の段階では、組織への貢献を通し、達成感を感じたり、周囲への影響力を発揮し、自分自身の存在価値をたかめようとし、役職者としておおいに力を発揮し、能力を高める段階である。この過程で職場異勤になった場合は新しい職場や役割について再び「再社会化」に戻ることになる。「順応」の段階は仕事や職場環境にもなれ、通常業務においては安定的に仕事を進めることができるようになる。人は「順応」の段階になると、人の関心事は、仕事の安定であり、変化への消極性があらわれてくる。この段階で、人事異動をおこなうと再び、組織の適応過程の「社会化」の段階に戻るので、変化への消極性をなくすためにも人事異動は有効である。
事例に挙げられている三井物産の人材活性化プランに関しては、上記の組織活性化サイクルをより効果的に、より「社会化」の段階と「刷新」の段階を最適におこなうために、部門を越えた人事異動を促進したり、外部人材の獲得を推進している。これは、雑賀大介・人事総務部長が説明するように、部門内での人事異動では、「社員が同質である限界が見えてきた。」ためおこなわれていることである。組織の再活性化のポイントである人事異動をおこなう場合には各ステップを効果的におこなうために、タイミングを見、時には、部門や会社を超えた人材交流が必要になってくると言える