――しかもそこからロンドンでライブですもんね。

マーキー・クラブのリハーサルに行ったら、当時イギリスで大きなレコード会社だったヴァージンにいた宇都宮カズさんが観にきてました。日本の事務所のヒップランドの中井さんもいたんですよ。中井さんと宇都宮さんは、元々ナベプロ時代の仲間ですね。宇都宮さんはヴァージンUKにいて、中井さんはたぶん仕事でロンドンに来てたんでしょうね。で、新入社員だからって、ヒップランド系列のイベンターのグリーンズの鏡を連れて来てましたね。あと、ライブ会場には、映画監督の石井聰互さんがカメラを回してたんだよ。氷室の紹介なのか、布袋の紹介だったのか覚えてないんだけど……8ミリを回してましたね。いろんなヤツがいたな〜。客は80人くらいだったね。ぎゅっと詰めて300人くらいのハコだったのかな。ストーンズがやったとかクイーンがやったとか、そんな話を聞いていて。そのときに泊ったのがフレミングスってホテルで、すっげえ小さい昔の家をホテルに改装したような、廊下も部屋も狭いっていう。そこにみんなで泊まってました。ハービーのお膳立てで、テムズ川や、リッチモンドパークへ写真を撮りに行きましたね。あのときにリッチモンドパークの向かい側の公園沿いに小さい小路があって、小道が右に曲がりながら小さい小川を渡るんですけど、渡ってすぐにまた右に曲がるのね。そこに木が生えてるんだけど、そこはマーク・ボランが死んだ場所なんだって。ハービーが「ちょうどここです、ここですって」。そのころは携帯もデジカメもないから写真は残してないけどね。

――いろいろ巡ったのですね。

あと、最近だけどさ、布袋が犬を連れてテムズ川を散歩していて、堤防にもたれかかってひと休みしてるときに「あ、ここ4人で写真撮ったところだ」って思いだしたって言ってましたね。ブログでもアップしてたでしょ? すごい偶然だよね……。で、無事レコーディングもライブも終えて、ロンドンから東京に帰ってくるんです。ロンドン〜ベイルートボンベイ〜香港~東京っていう南周りのルートだったんですよ。荷物が山のようで、積めないって言われて罰金15万くらい払って乗せてもらったりしました。でも、それが予算組んだ中で、唯一出たところなんですよ。えらいでしょ? ほぼ予算どおりだったんだよね。あと、そうそう、ハンザ・スタジオでのレコーディングにはフィッシュやニナ・ハーゲン以外に、デペッシュモードもいたんですよ。デペッシュモードはホテルは別だったんですけど、連中がホテルの側のパブに来ていて合流したんです。英語もろくに喋れないのにすごい友達になって、いつまでも酒を飲んでいた覚えがありますね。いったい何を話してたんだろうね(苦笑)。

BOØWY (氷室京介、布袋寅帯、松井常松、高橋まこと)30th ANNIVERSARY「BOØWY 1224 FILM THE MOVIE 2013- ORIGINAL SOUNDTRACK 」(フィルム缶パッケージ【CD2】2枚組・ステッカー付き