御別れの言葉

このたびはお忙しいところ、亡のお通夜にご弔問いただき、
ありがとうございました。父もさぞよろこんでいることと思います。
また、生前中は何かとお世話になり深く感謝しています。

父は去年の6月4日と5日で天国と地獄味わいました。

去年の6月4日は天国でした。
その日父は、46年間勤めたを退職しました。
母によると、盛大な送別会を会社の同僚にしてもらって、
満面の笑顔で、しかも鼻歌まじりで家に帰ってきたそうです。
両手には、素敵なメッセージの詰まった色紙と
いっぱいの花束をもって。。。

たぶん、僕がその場にいれば、
「そやけど、君、わしかて、もてるんやでーー、」って
自慢げに話してそうです。

しかし、その笑顔はつづきませんでした。

その翌日の5日は地獄でした。この日病、院で前立線がんの宣告をされたのです。
しかも、もうカラダじゅうに転移していて、手術ができないことを。。。

それから、1年5カ月。。。
僕たちにとっては、あっという間ですが、父にとっては、本当に長い苦しい時だったと思います。
僕には、決して、痛いとか言いませんでしたが、骨に転移しているので、カラダじゅうがいたかったようです。

最期の外出は8月に僕、母といったお墓参りでした。カラダじゅうが痛いのに、
僕がお墓参りに行こうといったら、がんばっていってくれました。
父は、本当に、家族を大切にしていました。親、兄弟を大切にしていました。
また、子供を立派に育てるためなら、自分を犠牲にできる人でした。

その家族、兄弟仲良くして、子供を立派に育てるという
父が人生かけて教えてくれたことを成し遂げるように
残された僕たちは、父の分まで頑張って生きなければならないと思います。

父の口癖の
「そやかて、君。わしかて。。」とか「わしを馬鹿にするなや」
などの言葉がもう聞かれないのかと思うと、さみしくてたまりません。

皆様も父との思い出をお持ちかと思いますが、
1年に1回ぐらいは、思い出していただければ、さみしがり屋で照れ屋の父は喜ぶかと思います。

甚だ観点ではございますが、お礼のあいさつとさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。