リーダーシップの効果的発揮と組織運営

組織が永続的に良好なアウトプットを出していくためには、リーダーシップの効果的発揮による組織運営が欠かせない。
では、組織のリーダーとしてどのようなものが求められているのであろうか。

ます、組織のリーダーとしてのチェックポイントを挙げてみたい。
●組織のリーダーとしてのチェックポイント
①自分の長所と改良点(そして他の人からどう思われているか)を認識し、それに基づいて行動しているか?
②事実と考えと状況とを適切に関連づけ、理路整然とした像にまとめるために距離を置いて見ているか?
③顧客のために価値を付加することに配慮しているか?
④好奇心が強く、新たな状況や新たな手法を開拓することに関心があるか?
⑤意見や行動を推し進める、または防御することによってリスクをとるか?
⑥要求の厳しい目的を達成するための活動に全力を投じているか?
潜在的問題を解決するために、または将来のチャンスをつかむために、積極的であり、現在行動を起こしているか?
⑧価値を創出する新しいアイディアを出すよう自分と周囲の人を激励しているか?
⑨他の人と協力して仕事をし、職務、グループ、境界を越えて効率的に仕事をしているか?
⑩共通の目的を優先するよう、他の人を説得し、影響を及ぼそうとしているか?⑪LEAD
⑪共通のビジョンについて人々を激励し、大きな目的に導く能力を発揮しているか?
⑫短期成績目標と長期成績目標を達成できるように他の人を訓練しているか?
⑬言動が一致しているか?

これらのチェックリストがどのような項目に分類されるか、そしてその定義を見てみたい。
● 定義
①KNOW YOURSELF(自己認識)
自己認識は、自分の強みと啓発点を正確に認識して理解し、組織で力を発揮するためにそれらが及ぼす影響を理解し、業務を最適化するためにそれらを活用していく能力である。 
②INSIGHT(洞察力)
洞察力は、明白な関連性のない事実と考えと状況のつながりを特定し、それらを意味のある形にまとめる能力である。最上級レベルでは、洞察力は新たなアイディアの創出や長期的ビジョンの開発ということもできる。
③SERVICE ORIENTATION(サービス志向)
サービス志向は、顧客の実際のニーズを最も満たす方法で顧客を手助けし、サービスを提供しようとする考えである。顧客の期待とニーズを理解し、長期的でお互いの利益になる関係を目指して高品質のサービスを提供するために行う努力において示される。「顧客」は、サービスの対象となる個人または組織である(内部顧客、全てのレベルの同僚、販売店、消費者など)。
④CURIOSITY(好奇心)
好奇心とは、背景をよく理解するために徹底的に質問をし、臨機応変に調査をするなど、率直な心で環境や物事や人について学ぶことを意味する。
COURAGE(勇気/決断力)
勇気は自分の能力と判断の自信に関係している。勇気があれば、リスクを評価し、責任を意識すると同時に判断または選択をすることができる。
⑥RESULTS FOCUS(成果志向)
大きな成績目標と品質基準を達成し、またはそれ以上の結果を残し、業績を報告し、方法とプロセスに対する持続可能な改善を継続的に追求する意欲。
⑦INITIATIVE(イニシアティブ)
イニシアティブは、単に将来について考えるだけでなく行動を起こすことにより、人を積極的に行動させる。イニシアティブのある人は、状況に対応するだけでなく、将来の機会や問題も予測し、前もって対応する。
⑧INNOVATION / RENOVATION(イノベーション/リノベーション)
この行動をとる人は、現状の改善に挑戦し、より効率的に業務を進めるような新しいアイデアを提案する。最上級レベルでは、組織全体の変革の推進者になる。
⑨PROACTIVE COOPERATION(プロアクティブな協力)
プロアクティブな協力は、他の人と協力して仕事をすること、グループ目標達成への取組みを実証すること、他の人のニーズと目標を理解すること、適宜、自分の考えと行動を調整することを指す。グループの目標を達成するためには個人の目標を犠牲にすることもある。
⑩IMPACT & CONVINCE OTHERS(他者への影響と説得)
会社の利益にかなう発想、企画または行動に打ち込むよう、直接または適切な第三者を使って他の人を説得すること。
⑪LEAD PEOPLE(リーダーシップ )
リーダーシップは、一人一人をまとめ、彼らに自分と自分の行動を信じさせることで、自分の限界を打ち破り、更に一段高いレベルへと成長させることを奨励する能力である。
⑫DEVELOP PEOPLE(人材育成 )
人材育成は、各自が短期的及び長期的成長の必要性を認識することを手助けし、適切な支援を提供することにより学習する気にさせることを意味する。
⑬PRACTISE WHAT YOU PREACH(有言実行“Waking the talk”(言行一致)の実践)
有言実行は、例え実行が難しくても「言行一致」など、諸原則と価値に基づいて行動し、それを具体化することを意味する。

リーダーのチェック項目としては、①〜⑧の項目に代表される自己の能力に関するもの、⑨〜⑬に代表される他者に対するものがあるが、組織でも高度に分業化が進む現在では、他者に動いてもらえなければ、業務がなりたたない。よって、より他者に対して働きかける⑨〜⑬の項目が非常に重要になるのではないかと思われる。

では、他者をうまくリードしていくためには、どのような行動を起せばいいのであろうか?
まずは、組織のメンバーに部門としてもビジョンを明確に伝え、理解してもらえるように徹底的に説明する。ビジョンを理解してもらったあと、やるべきことを具体的に伝え、メンバーがチームメンバーと協働して、アクションを起せるようにする。

なによりも大切なのが、チームメンバーが何をやるべきか、そして、それをなぜやるべきなのか、また、チームのメンバーと協働することの重要性を理解してもらうことである。