お金と上手につきあつためのヒント7つ

お金と上手に付き合うためのヒントを7つに

■ヒント1.お金はフローとストックに分けて考える
お金はフローとストックに分けて考えるとスッキリ理解できます。フローとは
毎月のお金の流れ。一方、ストックとは、資産として金融機関にあるお金です。
投資はストックを使って行うわけですが、実はストックだけではなくフローの
管理もしっかりすることが重要なのです。

なぜなら毎月のフロー(収入と支出の差)がきちんとプラスになっていれば、
投資がうまくいかない時であっても家計が破綻することは無いからです。投資
をしているとストックの増減にばかり目がいきますが、まず押さえるべきはフ
ローです。

■ヒント2.家計簿はつけなくていい
そのフローの管理というと家計簿を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、
家計簿はつけなくても大丈夫です。普段使う銀行口座を1つにまとめれば良いの
です。

給与振込み口座も、カード決済口座も、公共料金の引き落としも、現金を引き
出すのもすべて1つの口座に集中させる。それによって毎月の収入と支出のすべ
てがその口座で管理できるようになります。

つまり銀行口座で自動的に家計簿が作成されるようにしてしまえば良いのです。

■ヒント3.10年後、あなたの今の仕事はまだあるか考えておく
フローを増やすには収入を増やすか、支出を減らすしかありません。収入に関
して言えば、今自分がやっている仕事が10年後にも存在しているかどうかを考
えてみてはどうでしょうか。

今後、国内の環境変化とグローバル化、さらに技術進歩によって雇用環境が大
きく変化する可能性があります。今の仕事を定年まで続けられることを前提に
するのではなく、将来無くなる、あるいは他の国に取って替わられるリスクが
無いかを、考えておくことです。

自分のキャリア戦略の見直しです。

参考【日経ビジネスオンラインビジネスパーソンのキャリア戦略は変わった
http://mail.monex.co.jp/?4_67120_244126_9

■ヒント4.支出は節約ではなく、3大支出の見直しから始める
フローを増やすもう1つの方法支出を減らす、ですが、過剰な節約はやめまし
ょう。無理は続きませんし、何より、毎日の生活が辛い寂しいものになってし
まうからです。

節約は大きな支出から見直すのが先決です。人生の3大支出とされる、住宅、
保険、教育のコストをまずチェックしましょう。

例えば保険に関しては、先週のコラムで取り上げたライフネット生命のような、
低コストの保険会社を活用し、必要の無い過剰な保険は解約することです。ネ
ット上で見積もりをしてみると見えてくるものがあると思います。

投資と保険をまとめて考えたら頭がスッキリした(バックナンバー)
http://mail.monex.co.jp/?4_67120_244126_10

■ヒント5.持家か賃貸かで悩んでも意味がない
住宅も人生の3大支出の1つですが、家の話になると必ず出てくるのが「持家と
借家とどっちがおトク?」という永遠のテーマです。結論から言えば、どちら
がトクかは、将来の住宅価格次第。上がれば持家、下がれば借家がトクという
ことです。どちらかが割安になれば、そちらにする人が増えるはずですから、
持家と借家の間には裁定が働いているからです。

つまりどちらにするかは損得の経済合理性で考えるのではなく、人生観を基準
にして考えた方が良いのです。

■ヒント6.資産づくりは大学受験と同じ
資産を殖やしていくためには、ストックを活用する投資だけではなく、収入や
支出から生まれるフローも含めて管理する必要がありますが、その第一歩は計
画を立てることです。ガムシャラに仕事や節約そして投資をやるのではなく、
計画を立ててから始める方が合理的だからです。

計画を立てることによって、心に余裕が生まれます。やるべきことさえやって
後は、自由にして良いと考えることができるからです。例えば毎月3万円積み立
てで計画が立てられれば、3万円だけを投資に回して後は使ってしまっても良い、
と割り切ることもできます。1円でも多く節約する、といった精神的にストレス
のかかる方法にしなくても良いのです。

■ヒント7.お金の悩みは自分の努力で解決できる問題
投資以外のお金の問題を含め、将来に対する漠然とした不安は、どうなれば解
決できるかを具体化していくことが、大切です。そして具体化できた不安は、
今度は細分化して1つずつ潰していけば良いのです。

時間はかかるかもしれませんが、不安を具体化・細分化することで解決策を考
えやすくなりますし、どこまでやれば悩みが解決されるのかが見えてきます。

お金の問題は、正面から向き合い、アプローチを工夫すれば自分で解決するこ
とができるのです。

■ 過剰からバランスへ
過剰な節約で支出を減らそうとしたり、過剰なリスクによって投資のリターンを
あげようとしても、豊かな人生は手に入れられません。お金に関して大切なのは、
極端なことをするのではなくバランスを考えることです。

個別銘柄や資産の一部にだけ注目するのではなく、自分とお金の付き合い方を生
活全体でトータルに見直すことでバランスの取れた状態を実現することができま
す。

お金の付き合い方を見直していくことによって、将来の漠然とした不安を減らす
ことができます。そして、それは今の自由をもたらすことにもなるのです。

年末年始にこれからのお金との付き合い方を考えてみるきっかけにしていただけ
れば幸いです。

今回の話のまとめ---------
■ お金との付き合いは投資だけではない
■ 漠然とした不安は具体化、細分化して1つずつ潰していく
■ 将来の不安が解決すれば、今の自由も手に入れられる