オバマ大統領にみるリーダーシップ発揮のための、共感と柔軟性

他者に働きかけて、組織として良好なアウトプットを出すには相手と信頼関係ができているだけでは不十分である。さらに一歩進めて相手に共感し、双方のニーズ満たすように柔軟性を発揮しなければならない。
ここで言う共感は、自分が自分を理解するように、相手を理解するために必要な能力である。「相手の身になり、その人の目を通して、その世界を見る」ことである。また、柔軟性は、私達が取りたい行動を抑えたり、やりたくないことをしたりすることをいう。私達はそれぞれ価値観を持っており、これをそのまま相手に押し付けようとしても、相手を変えたり動かしたりすることはできない。
組織のリーダーの例として、アメリカのオバマ大統領のリーダーシップのとり方、中でも彼のスピーチを例として取り上げる。
彼は、スピーチの際に、「I」ではなく、「WE」と言う言葉を良く使う。これは、「I」=私、ではなく、「WE」=我々なんだ。と言うことを強調することによって、リーダーだけで国を作り上げていくのではなく、「WE」=我々皆で国を作り上げていこうという意味がこめられている。これによって国民の共感を生み、猜疑心をもっている国民を傍観者から、積極的な参加者に変えることに成功している。また、彼は黒人も白人も、キリスト教徒もイスラム教徒も無宗教の人もともに理解しあいアメリカを良い国にしていこうといっている。これは、他者を受け入れることの柔軟性について強調しているといえる。
国民の支持率が70%を超えることからも、共感と柔軟性をうまく使うことはリーダーとして必要なことだといえる。