分裂病人格障害SPD)の人は、他人と親しい人間関係を持ちたいというモチベーションが殆どなく、意識の覚醒水準が低いために感情機能が著しく鈍磨していて、他人の肯定的・否定的なコミュニケーションに迅速に対応することができないのです。SPD回避性人格障害(APD)も社会活動(社会参加)の抑制による『社会的孤立』の状況に陥りやすいのですが、SPDが他人の反応に対して『鈍感』であるのに対して、APDは他人の感情的反応や言動に対して『過敏(敏感)』であるという違いがあります。APDの人は、意識の覚醒水準が高く他人と親しい人間関係を持ちたいというモチベーションも高いのですが、『他者の心理・行動に対する過敏性』によって自分が批判されたり恥辱を受けるのではないかという不安が極端に高くなっています。APDの他人の言動に対する過敏性は『自我防衛機制の過剰発動』を引き起こし、必要以上に他人と距離を取ってしまいます。最終的には他人が自分を否定しようとしているという『自意識の過剰』に陥ってしまい、対人欲求(親和欲求)を満たすことが難しくなってしまうのです。