自分ブランド

1.『起業成功マニュアル』
海と月社
ガイ・カワサキ・著
強固なブランドを築き上げた後、現実化してくるのが「起業」という選択肢。本書は、アップ
ルコンピュータの草創期に、マッキントッシュエバンジェリストとして活躍し、その後、ベ
ンチャーキャピタリストとしても有名になったガイ・カワサキが、起業する際のポイントを完
全網羅した一冊です。自分が起業家としてふさわしいか、というありがちな疑問に始まり、標
語の決め方、ビジネスモデルの構築法、ライバルと差別化するためのポジショニング、自己資
本経営の奥義、人材採用のポイント、事業拡大方法まで、じつにさまざまなトピックに触れて
います。ほかにも、ニッチ市場を探すためのマトリックスや、会社・製品のネーミングのポイ
ント、お金を使うところとケチるところの違いなどが論じられており、起業する人にとって
は、極めて実践的な内容です。
2.『自己プロデュース力』
ヨシモトブックス
島田紳助・著
ネット界のオピニオンリーダーが絶賛し、大反響を呼んだ島田紳助さんのDVD『紳竜の研
究』のエッセンスを活字化した一冊。自己プロデュースの「禁じ手」と本質を披露しており、
なかでもヒットを生み出す方程式「X+Y」や「知識のドーナツ化」は必読。何よりも見習い
たいのは、自分の教科書を作るという発想です。島田紳助さんは、漫才に教科書がないから、
自分で作ろうと思い立ったわけですが、このように教科書がない分野で独自の理論を打ち立て
ると、ブランドが加速します。それともう一つ、本書から学ぶべきは、「勝てない現場には行
かない」「勝てる現場では必ず勝つ」という鉄のルール。ブランドを維持しようと思ったら、
勝てないところに出て行かないこと。そんなことも本書は教えてくれています。

3.『一番になる人』
サンマーク出版
つんく♂・著
シャ乱Q」時代に「シングルベッド」でミリオンセラーを飛ばし、その後プロデューサーと
して「モーニング娘。」の大ヒットを手掛けたつんく♂さんが、そのプロデュース哲学を語っ
た一冊。日常的な要素に少し新しい要素を付け加え、これまでにない視点を持たせる、最後の
ひとさじ加減で差をつける、一枚の写真でできている歌詞を考える、など、著者が自力で発見
したヒットの条件が満載で、じつに参考になります。大阪商人の息子として育てられ、祖父や
祖母に教わった教訓、下積み時代に自らつかみ取った勝利の方程式、そしてプロデュースで成
功する秘訣まで…。ヒットを出し続ける著者が、どんな想いで生き、作品に取り組んできたの
か、その軌跡が垣間見られる作品です。
4.『ポジショニング戦略[新版]』
海と月社
アル・ライズ、ジャック・トラウト・著
世界的なマーケティング戦略家のアル・ライズと、ジャック・トラウトによる、不朽の名著。
本書で提唱されている「ポジショニング戦略」は、今でも色褪せておらず、むしろ情報社会の
現在、ますます重要性を増しています。消費者の頭の中にある認識を利用し、そこから関係性
を表現していく手法は現在も有効であり、その実効性は、数多くの広告キャンペーンやPR活
動が示している通り。実例も豊富で、あえて自社をナンバーツーと定義して成功したレンタ
カーのエイビス、「シンク・スモール」というたった2語のコピーで大ブレイクしたフォルク
スワーゲンの「ビートル」など、ポジショニングの具体的な手法を学べる事例が満載。マーケ
ティングセンスを身につけるには必読の一冊です。
5.『文章のみがき方』
岩波書店
辰濃和男・著
かつて朝日新聞の人気コーナー「天声人語」の執筆を担当し、多くの読者を魅了した辰濃和男
さんが、文章の磨き方を指南した注目の一冊。ロングセラーとなっている『文章の書き方』の
姉妹編にあたる本です。夏目漱石から向田邦子村上春樹まで、日本の名立たる作家たちの名
文をひも解き、そこから書き手の哲学や知恵を抜き出しています。紋切型の言葉を使わない、
細密なところをおろそかにしない、抑えることによって文章にはかえって力が加わるなど、貴
重な教訓がいくつも散りばめられています。なかでも参考になったのは、比喩力の磨き方と、
五感をはたらかせながら表現することの大切さ。描写や比喩が疎かになりがちなビジネスマン
には、いろいろと新しい発見があるはずです。書くスキルは、ブランド人の3大スキルのひと
つ。本書を読んで、人の心を動かす文章術をマスターしてください。
6.『ブライアン・トレーシーの話し方入門』
日本実業出版社
ブライアン・トレーシー・著
のべ46か国、500万人の前で講演したという全米トップクラスのカリスマスピーカー、ブライ
アン・トレーシーが、そのスピーチの極意を語った一冊。講演だけで億万長者になった著者が
書いているだけに、そのノウハウは細かく、かなり実践的です。スピーチの冒頭のつかみの話
から、わかりやすく伝えるための言葉、口調、相手の興味を誘う話し方、講演前の準備、著者
が推奨する「型」であるPREP方式、さらに人前に出た時のメンタルコントロールまで、プ
ロの話し手を目指す人には、お値打ち情報が盛り込まれています。セミナービジネスをやって
いる人には、運営のノウハウとして、研修講師をやっている人にはクライアントの心をつかむ
秘訣として、また話し手には聴衆の心をつかむ技術として、役に立つこと間違いなしです。
7.『レバレッジ人脈術』
ダイヤモンド社
本田直之・著
外資系企業を経て、常務取締役として自社をJASDAQ上場に導き、著作シリーズも累計でミリ
オンセラー超えを果たした本田直之さんが、その人脈術を披露した唯一の本。「人脈に勝る
パーソナルキャピタルはない」とは著者の弁ですが、本書には、そのパーソナルキャピタルを
築くためのコツが書かれています。人脈づくりにはコントリビューション(貢献)が欠かせな
いという原理原則に始まり、一緒に成長していったほうが得られるものが大きいという経験
則、プロフィール作りの重要性など、本質を突いた議論が展開されています。まだ成果を出せ
ていない人でも簡単に人に貢献して感謝される方法、パーティ参加の可否を決める基準など、
内容はかなり実践的。人脈作りのバイブルにしたい一冊です。
8.『ある広告人の告白[新版]』
デイヴィッド・オグルヴィ・著
海と月社
数多くの広告人に衝撃を与えた、「広告の父」デイヴィッド・オグルヴィによるミリオンセ
ラー名著の改訂版。クリエイターの心構えとして有名な、「バントをするな。場外ホームラン
を狙え」という名言も、もともとは本書の影響で広まった、オグルヴィの言葉。もちろん自分
ブランド構築にも当てはまります。ほかにも、「我々は売る、そうでなければ存在価値がな
い」「人を退屈させておいて、商品を買わせることはできない」など、数多くの名言が収めら
れており、プロフェッショナルとしての心構えを学ぶには最適の一冊です。ほかにも、成功す
る広告キャンペーンの条件や、消費者の心を揺さぶるコピーの書き方、効果抜群のキーワード
など、読みどころが満載。自分を売り込むためのコピー力を身につけたいなら、見逃せませ
ん。
9.『日本一メルセデス・ベンツを売る男』
グラフ社
前島太一・著
自分が伝説になりたければ、伝説を作り上げた人物を研究するのが一番の近道。本書は、書籍
発行時点で年間160台、累計2000台以上を売り上げたという破天荒なセールスマン、吉田満
んの考え方、ノウハウをライターがまとめたベストセラーです。文中には、実際に吉田さんの
クライアントである富豪が何人か登場してコメントしていますが、そこから読み取れる吉田さ
んの接客は、見た目やスタイルからは想像できない地道なものです。いつでもケータイをON
にして顧客の悩みにこたえる、他社のものが欲しければディーラーを紹介する、プレゼント用
のクルマには自腹を切って花束を添える、納車の際には細心の注意を払う…。クライアントの
期待値を超える仕事は、地道な努力から。吉田さんの仕事から、ブランドの本質を学べる、そ
んな一冊です。
10.『10年メシが食える漫画家入門』
講談社
樹崎聖・著
自分がヒーローになろうと思ったら、他人がどんな人をヒーローとみなすのか、そのロジック
を知っておくことが重要。魅力的なキャラクターであふれる漫画の手法を学べば、あなたも
キャラ立ちの技術がわかる、ということで紹介するのが、この一冊です。著者は、『ff(フォル
テシモ)』が「週刊少年ジャンプ」の新人賞に入選して以後、『ハードラック』『とびっき
り!』『交通事故鑑定人 環倫一郎』などの作品を描き続けている漫画家、樹崎聖さん。本書
では、「誘い」「じらし」「満足」という「悪魔の脚本術」の基本を紹介した後、名立たる名
作漫画の解説をしながら、主人公の条件や、感動を呼ぶ仕掛け、魅力的なヒロインの描き方な
どを解説しています。懐かしの漫画を読みながら、売れるブランド人になるための秘訣が学べ
る、そんな一冊です。